先日、四半世紀使ってきた、ベル・タイマー(BellTimer TD71)が壊れてしまった。ベル・タイマーというのは、設定時間になると、ベル(チャイム)を鳴らす機能を持った壁掛け時計だ。学校や職場ではおなじみのものなので知らない人はいないと思う。

もう年代物なので修理は考えず、中古(2万円くらい)か、後継機(6万円くらい)を検討したのだが、結論としては、タイマーの部分だけを自作することにした。

○ベル・タイマーのしくみ
 回転する円盤の外周に、ピンを立てる穴が空いており、時刻の位置にピンを立てておくと、接点がONになるという、コテコテのアナログ仕様である。最初は、ベル・タイマー自身に、音源(チャイム)があると思っていたのだが、どうも、音源は別の機器(Electro Music Chime WZ-250)にあり、ベル・タイマーは単に接点をON/OFFしているのに過ぎないようだ。これなら話は簡単で、ベル・タイマーの代わりに、接点のON/OFFをしてやる機器を作ればいいだけだ。

 

○新作チャイム・タイマーの製作
 時計代わりなので、ESP8266(ESP-WROOM-02)のNTPクライアントがうってつけだ。自動で時刻取得できるし、ブラウザでチャイム時刻の設定も可能になる。
 ハードの主要部分は、ESPr Dev+フォトカプラー+抵抗だけだったので、3時間程度でできてしまった。ESPr Devは他から流用したため、シールド基板にできなかったのが残念だった。ソフトは、書きためてきたラリブラリがあったこともあり、約1日半で完成までこぎつけた。



○できたもの
[状態画面]
 起動時刻や、NTP更新時刻(1日1回)等を表示している

 [設定仮面]
20個までタイマー時間を設定できる。ファームウェアの更新もブラウザから可能。この装置は、別の部屋の天井近くにあるので、このリモート更新の機能は本当に便利だ。


○まとめ
 改めて、ESPの優秀さを感じた。チャイム時刻などはめったに変更しないので、最初はプログラムに決め打ちしようかと思っていたのだが、結局、全部、作りこんでしまった。
 今までは、設備点検による停電※や、時間がずれるたびに、重い時計を降ろして、時間合わせをやってもらっていのだが、それが今後は不要になる(ネットワークから時間取得できるため)とにかく、いいことづくめの結果が得られた。

※ベル・タイマーには、バッテリーによるバックアップ機能もあるのだが、ずいぶん前にバッテリーが切れてしまった。このバッテリーだけで実に5000円近くする(今回の新作チャイム・タイマーの材料費は2500円くらい)

〇追記
運用して1か月以上になるが、1度もリブートせず動いてくれている。すばらしい!。