2016年5月、SP7300の導入にともない、制御プログラムを刷新しました。
ホットマーカーとは?
電線に番号を付けるためチューブ(上写真)に、電線番号を印字するための機械です。配線業務をしていない人には馴染みがない機械ですが、制御盤メーカーでは必需品といえます。ホットマーカー本体(下写真)は、機器メーカーから購入します。昔は、英数字のゴムスタンプにインクをつけて作っていましたが、現在では熱転写によって印字します。
ホットマーカー制御プログラムとは
ホットマーカーに対して、印字文字・個数等のデータを送るためのプログラムです。マーカーにも付属してきますが、当社では、自社の業務にマッチするよう、専用のプログラムを作成して使用しています。
オリジナル制御プログラムの特徴
- パートタイマーでも簡単に使えるよう、機能を絞ってあります。
- 外国人でも使えるよう、バイリンガル仕様になっています。
- 連番を簡単に作成する機能があります。
- 印字中でも、データの入力が可能です。
- ワークの種類で書式が絞り込まれ、簡単に選択できます。
- 社内にWebサーバーを設置し、ClickOnceでプログラム更新を行います。(セキュリティのため工場PCはインターネットには接続できない設定にしてあるため)
機器制御プログラムの開発・デバッグの方法の紹介
機器制御プログラムは、過去いくつも作成しているので、当社では定番の方法です。
左側がターゲットの制御プログラム、右上が通信表示プログラム、右下がエミュレータプログラムになっています。
機器制御プログラムとは
機器制御プログラムがやっかいなところは、基本は通信プログラムなのですが、通信相手がプログラム開発PCに繋がっているとは限らないことです。開発機器の場合は、実機がまだできていなかったり、試作機器にバグがあったり、エンドユーザーに納品されてしまい、場合によっては海外にいってしまうこともあります。こうなると、デバッグができなくなってしまうため、当社では、エミューター(擬似的に実機の代わりをする)プログラムを作るようにしています。
エミューターとは
エミューターは機器内のファームウェアの代りをさせるためのプログラムです。これをつくるだけで結構な労力が必要です。しかし、有ると無いのとでは、後々、ずいぶん効率が違ってくるため、大抵は作成するようにしています。
通信表示プログラムとは
機器制御プログラムと、実機やエミュレータの間に割り込ませて、通信内容を表示させたり、ログを取ったりするためのプログラムです。なぜ、こういうプログラムが必要かというと、機器メーカーから提供される通信プロトコル仕様書が信用できないからです。プロトコル仕様書を作った後に、仕様変更がされても仕様書に反映されていないことも多く、実機と機器メーカー製の制御プログラムのログを取って、ようやく(仕様書にない)正しい通信プロトコルがわかる場合もあります。
このように、機器制御プログラムというのは、一筋縄ではいきません。見た目の3倍くらいの時間がかかります。また、ネットはおろか、本家の機器メーカーにすら、資料がない場合もあります。とにかく自力で対処するスキルと覚悟が必要なのです。
以上