○きっかけ
 夏なると使っていない部屋の窓を換気のため開けます(部屋によってはタイマーで換気扇を回したりもしていますが...)
ただ閉めを忘れると最後に退社する人が施錠(警備ロック)できないので、2Fまで閉めに行かなければなりません。なんとか、事務所内(1F)で退社する前に、窓の開閉がわかるようにできないかと思っていました。

○仕様
実は、似たようなシステムは過去に作成して運用しており、便利なことは実証済みです。そのシステムもバッテリー(エネループ4本)で駆動で、10カ月くらい持ちます。今後はリチウム充電池を使ったものにしたいと思っていました。モジュールは、仕様的にESPr® Door Sensorがドンピシャなので、これをそのまま利用しました。このような案件だとトワイライトTWE-Lite)モジュールを使ってみたい思ってしまうのですが、あれこれ手をだすわけにもいかず、セカンド・ベスト(次善)と言い聞かせて、従来のESPで進めることにしました。

○リードスイッチのNO/NCは、何が正しい?
ESPr Door Senseorにもリードスイッチが内蔵されていますが、窓への取付の関係で、外部にリードスイッチを付けることにしました。リードスイッチには、NOとNCの2タイプがあります。窓の場合は閉じている時間の方が長いため、NCタイプの方が消費電力には有利です。

NCタイプのリードスイッチは、あまり販売されていません。今回は、手持ちがありましたので助かりました。これを機会に、いろいろ調べてみましたが、このNO/NCの表記というのが、世界的に統一されていないのではないかと思いました。日本では、NOは、マグネットが無い状態をノーマルとし、その状態がオープン(開放)であるという感じなのですが、海外では、その逆で、マグネットが有る状態をノーマルとしているような感じがしました。これでは、まるっきり意味が逆になってしまいます。Amazon等の海外出品者から購入する場合は、注意が必要だと思います。

○充電基板の固定方法で悩む
充電基板は中華製のものがたくさん販売されていて入手は簡単です。しかし、この充電基板には取付穴がなく、パッドも2.54ピッチでないので、ユニバーサル基板にも付けられません。MicroUSB端子がついているのはいいのですが、ケース等にしっかり固定できないと利用のしようがありません。基板用ワンタッチスペーサー 両面テープ付が唯一の選択肢ですが、MicroUSBを挿す時に結構力がかかるので両面テープでは少々不安です。

あれこれ考えあぐねて、最終的に固定とコネクタを装備した、変換基板※を作りました。これでビス固定とコネクタ接続ができるようになったことで、あれこれ悩まなくてもよくなりました。
※変換基板はスターヤフエレ店で販売する予定です販売を開始しました

◯リードスイッチの取り付け位置、固定方法、接触方向
引違い窓にリードスイッチをつけるのは、具体的に考えだすと、結構やっかいです。警備保障のリードスイッチは、窓にマグネット、窓枠にリードスイッチの組み合わせで、それが窓の両脇にあります。
真ん中に一箇所とりつければ済みそうな気がしますが、リードスイッチの線があるので、移動しない窓枠につける必要があるのです。
ただし今回は、バッテリー駆動の装置自体を窓につけらえるため中央の一箇所で済みました。これが電源線が必要なIoT機だったり、IoT機が窓に付けられないサイズだったら、また、話が変わってきてしまうのです。

取り付け場所が決まりましたので、次は固定方法ですが、その前に、リードスイッチが作動するしくみを理解する必要があります。リードスイッチはマグネットの距離ではなく位置関係によってスイッチ状態が変わるのです。
手持ちのリードスイッチは水平動作型のため、それに合わせた取り付けをしなければなりません。これらの事項を勘案し、最初の写真のようにアルミ板でブラケットを作成し、両面テープで貼る構造にしました。
ただ、この取付方法ではリードスイッチを付けた窓の明け具合では、反対の窓にブラケットが衝突してしまいます。これを回避するには、別にストッパーを付ける必要がありますが、そういう開け方はまれですので、今回は割愛することにしました。

◯通信方法やアップグレード等
状態をjson、プロトコルはUDP、送信はブロードキャストで送る仕様にしました。ブロードキャストにすると、送信機や受信機を増やしても管理がいらないので簡単です。
2018/10/4 マルチキャストに変更しました。(2018/10/25 mqttに変更)

この通知機は、通知すると、すぐスリープモードに入ってしまうので、PCなどからこの機器に接続する暇がありません。そこで窓を開けた時だけ、サーバーに接続して、新しいファームウェアがあれば自動的にアップグレードするしくみにしてあります。バッテリー消費のことを考えるとどうかとも思いますが、まぁ、これくらいはいいでしょう。

○出来たもの
窓枠への付け方で、片側の側面は塞がってしまうので、端子類は下面に集中させました。リードスイッチとの接続はミニジャックで行います(音がでるわけではないです)。
窓開閉の様子を動画にしました。受信機側は、以前別な用途で作った2色LED2灯版が余っていたので、そのまま流用しました。M5Stack版はソフトだけです。
機能的には、ぜんぜんたいしたことないシステムですが、離れたことろの状態がわかるという利便性は、期待どうりでした。

2018/11/16 追記
電圧が3V程度に下がったので充電しました。1回の充電で3カ月以上持ちました。このくらいであれば、実用範囲です。