加工数送信機をはじめIoT機は、保守用ソフトウェアの作成も欠かせない。
Raspberry Piなどだと、PC並のHMI(ヒューマン・インターフェース=ディスプレーヤーやキーボード)周辺機器を接続できるので、いろいろやりようもあるが、マイコンを使った機器だと、そういうわけにはいかない。基本的にはシリアルかWi-Fiでしか接続できないので、保守の方法は綿密に検討する必要がある。
ただ、IoT機というのは、稼働中は単なる送信機なのでHMIは必ずしも必要ない。結論から言えば、保守はWi-Fiがあれば十分だと私は思っている。
○IoT機の保守ではどんなアプリが必要か?
IoTでは個々の機器にパラメータの設定が必要になる場合が多い。基本的にはこれらを、外部から変更できるようにする仕掛けが必要になる。それで作成したのが、下記のIoTリモートコントローラーだ。
このプログラムを使えば、Wi-Fiや、Azure経由で、パラメータ値の表示、修正が可能になる。
このプログラムのおかげで、IoT設置場所へ出向く必要がほとんどなくなった。
○エミュレータ用プログラム
これは、デバイス(ハードウェアとしてのIoT機器)をソフトウェアで代用するためのプログラムである。
なんだか、先のリモートコントローターと似たようなデザインだが、通信プログラムというのは、中身のデータは同じで、方向が違うだけなので、必然的に似たようになる。このあたりは、ライブラリで共通化させている。IoTデバイスというのは、クラウド接続のような基礎部分は共通で、あとはセンサーや接点等が追加されるだけなので、プログラムもそれに沿った構成になっている。
エミュレータ・プログラムを作るメリット
- デバイス(実機)が未完成でも、それ以外の部分(クラウド側とか)のソフト製作や検証が可能
複数人で平行的に作業ができるし、実機がなくてもよいので、どこにいても開発作業ができる - さまざまなシュチエーションを作り出せる
たとえば、デバイス100台でテストしようとすると、実機が100台必要になるが、エミュレータがあれば瞬時に100台分の機能を試せる。
○加工数送信機シュミレータ
これは、加工数送信機をPCからコントロールするためのアプリである。
プレス機の動作を模擬して、信号を加工数送信機(実機)に信号を送信する。加工数送信機のファームウェアが、長時間の運転でも、動作するかの検証用に作成した。