2018年2月末に、スイッチサイエンスからM5Stackの販売が開始されました。
IoTにも応用できそうなので、入手して調査してみました。
M5Stackに関してはネットにいろいろ記事がありますので、ここでは私が疑問だったこととIoT使用の観点からレビューしてみたいと思います。
○構造
[ESP32モジュール]
ESP-WROOM-32が基板に乗ったものものだと思っていたのですが、アンテナ基板と一体化していました。これで省スペースと外部アンテナがつけられる仕様になったのは朗報です。
[給電]
ESP32が電気食いなので、USB3.0 TypeCは順当だと思います。
USBでバッテリー充電が可能です。赤のコネクタは5VとI2Cの4極コネクタです。赤丸のコネクタはバッテリー用(3.6V?)です。
○スタック
M5Stackはスタックで拡張できるのが売りだと思うのですが、購入前は、どうも構造が理解できませんでした。
(青矢印は接続できますが、赤矢印は接続できません)
(青矢印は接続できますが、赤矢印は接続できません)
- BASICモデルは、コアとボトムモジュール(バッテリー内蔵)の組み合わせ、この2つで、バッテリー駆動の装置が作れます。
- たたし、ボトムモジュールは、蛇の目基板ではないので、電子デバイスを組み込むことはできません。拡張するなら...
- コアのI2C端子につなぐ
- ボトムモジュールの横にあるヘッダもしくはソケットピンに繋ぐ
- 内蔵型にしたいなら、プロトモジュールかプロトボードを使う必要がある。
- プロトモジュールは、コアとボトムモジュールの間に入れてスタックすることができる
- プロトボードは、コアとプロトモジュールには接続できるが、ボトムモジュールとは接続できない
理由は下記を見ればわかるが、プロトボードにはソケットがないため(後付はできる)
○疑問点
私の理解が不足しているのかもしれませんが、いろいろ疑問が残ります。
- プロトモジュールへ、バス線を引き出す方法がわからない。
蛇の目部分と、バスコネクタは分離されており、バスコネクタは両面コネクタなので、ハンダができない - プロトボードは、片面がSMDなので、ここに直接ハンダするみたいなのですが、そうすると、今度は、ボトムモジュールに接続できないのでバッテリー駆動ができない。
- 貫通口があるのでリード線を通す?
- 正方形なのでバッテーリーの向きを変えて何とかする?
- 充電中は電源をOFFにできない?
USBを接続すると起動するのですが、電源ボタンを2回押しても切れません(バッテリー駆動時は切れる)。回路図を追えば理由は分かりそうですが...
○接続ピンヘッダが高価
プロト基板用の専用接続ピンヘッダがあるのですが、オフィシャル品だとヘッダとソケットのセットで1000円もします。この価格だと気軽に試作するのは難しいので、オリジナルのプロトボードを作成する予定です。
○総評
[良い点]
- 液晶が使いたいときは、自作しなくても良いので便利
- バッテリー駆動したい場合は意外に少ないが、その場合でも充電基板とか考えなくても良いので楽。
- キー入力3つとスピーカーもあるので、ちょっとした装置はこれで十分つかえる。
- SDカードは余分と思っていたが、漢字フォントを格納するには必須なので、あってよかった。
[難点]
- 拡張基板がいまいち。2列ピンだと引き出しに苦労する。
○IoT機として
送信機の場合、ボタンや液晶が必要な場合は、それほど多くないので、M5Stackが最適とはいえませんが、外部アンテナと、多少、バッテリー駆動ができる点は良いと思います。
受信機で考えた場合、ボタンと液晶があるのは、非常に魅力的です。M5Stackは、主に受信機として、使っていきたいと思います。
○参考サイト